スズキ目タカベ科の硬骨魚。漢字表記では「鰖」。本州以南の太平洋岸に分布する日本固有種で、沿岸域の岩礁地帯に生息する。シャカ、ベント、ホタなどの地方名がある。成魚は体長20~30センチ。背面は青緑色で幅広い黄色縦帯が特徴。脂ののってくる産卵期の夏が旬で、焼魚などにする。

「尾花(おばな)」は「芒(すすき)」の花穂(かすい)のこと。動物の尾に似ているところからこの名がある。「芒」が葉、茎、花穂の全体を指すのに対し、「尾花」は花穂だけをさす。「芒」は夏から秋にかけて黄金色で箒状の花穂をつける。秋の深まりとともに、花穂は白っぽくなり、晩秋には綿毛をつけた種を風に飛ば す。
掲句は晩秋の頃、夜明け前のまだ明るい月光の中で「尾花」を握ったことを句にしたもの。「尾花」の微かな湿りは、5年前の10月下旬に亡くなった母の手の感触を思い起こさせた。死に近い母の手の、最早握り返さない柔らかい感触は、終生忘れることはできない。令和6年作。
「木の芽(このめ)」は春になって様々の樹木の芽が吹くこと。それぞれの木の名を冠して「柳の芽」「楓の芽」などという。広葉樹を主とした雑多な樹木の芽吹きが「雑木の芽」。
掲句は、八国山の東の端の久米川古戦場跡を詠んだ作品。元弘3年、鎌倉幕府軍と新田義貞率いる反幕府軍が戦い、新田軍が勝利した。今は山麓の住宅地の小さな公園内に石碑が立っているのみで、かつての古戦場の面影をとどめるものは何もない。折から、櫟や欅など八国山の雑木がそれぞれの色合いで芽吹きの季節を迎えていた。令和7年作。
高山の頂上付近や斜面などで、高山植物が群生している場所のこと。高山地帯では雪解けとともにチングルマやキンポウゲなどの高山植物が一斉に花開き、夏の登山者を和ませる。一般的な平地の「花畑」とは「お」の字の有無により区別する。単に「花畑」といえば、秋の草花が咲いている畑や、花壇などの人工的な庭園を指す(秋季)。

北米原産のオオバコ科の多年草。「ペンステモン・ジギタリス」ともいう。日本には大正時代に園芸用に導入され、その後野生化しているものもある。初夏から夏にかけて、茎頂に総状花序を作り、桃色がかった白色の筒状の鐘形の花を咲かせる。歳時記には掲載されていない。なお、夏の季語になっている「ジギタリス」はヨーロッパ原産の多年草。
