夏の山野をおおう草木の満目の緑をいう。「茂」よりも広範囲な情景である。王安石の「万緑叢中紅一点、動人春色 不須多」という詩の中の「万緑」を用いて、中村草田男が〈万緑の中や吾子の歯生え初むる〉と詠んでから、この言葉が多くの共感をよび、季語として定着するようになった。この漢語のもつ力強さには、自然讃仰の響きがある。

夏の山野をおおう草木の満目の緑をいう。「茂」よりも広範囲な情景である。王安石の「万緑叢中紅一点、動人春色 不須多」という詩の中の「万緑」を用いて、中村草田男が〈万緑の中や吾子の歯生え初むる〉と詠んでから、この言葉が多くの共感をよび、季語として定着するようになった。この漢語のもつ力強さには、自然讃仰の響きがある。

南ヨーロッパ原産のキョウチクトウ科の常緑多年草。観賞用に栽培されるほか、一部が野生化している。晩春から初夏にかけて、紫色のプロペラ状の五弁花を蔓状に伸びた茎の先につける。マダガスカル島原産の「日日草」(夏季)よりも花期が早い。歳時記には掲載されていない。

草木に花が咲き、鳥が囀る季節。桜が散り花見の賑わいが治まると、いつしか春も深まり、夏が近づいてくる。学校や会社では入学、入社という社会生活の新しい出発の時でもある。自然も人も活気に満ちて来る頃である。

ラン科キンラン属の多年草。神奈川県藤沢市の鵠沼地区で発見されたことからこの名がある。雑木林や海岸近くの松林などに自生する。晩春から初夏にかけて咲く白い花は、「銀蘭」(春季)よりも大きくて花の数も多い。なお、歳時記には掲載されていない。

山楂子(さんざし)は中国原産のバラ科の落葉樹。4、5月頃、枝先に径2センチ程の白色五弁の花が群がり咲く。花びらに黒い斑がある。江戸時代中期に薬用として中国から渡来したが、主として庭木や盆栽として栽培される。実は秋に赤く熟し、食用になる。原産地の中国では、菓子類に利用されている。写真は、同属の西アジア原産のトキワサンザシ(別名ピラカンサ)の花。
