「石榴(ざくろ)」はペルシア地方原産のザクロ科の落葉小高木。熟すと裂けて、赤く透明な果肉の粒が現れる。食べると甘酸っぱい。
掲句は石榴の実を、ぎっしりと涙が詰まっていると描写した作品。中の果肉の粒を「涙」に譬えた例句は〈実石榴の涙の粒に似しを食む 移公子〉など、歳時記に散見されるようだが、余り気にすることはないだろう。「ぎつしり」との擬態語は平凡なようだが、石榴の実の内部の充実感を的確に言い留めており、石榴以外の果物を想像させない確かさがある。『文藝春秋』2024年11月号。
「石榴(ざくろ)」はペルシア地方原産のザクロ科の落葉小高木。熟すと裂けて、赤く透明な果肉の粒が現れる。食べると甘酸っぱい。
掲句は石榴の実を、ぎっしりと涙が詰まっていると描写した作品。中の果肉の粒を「涙」に譬えた例句は〈実石榴の涙の粒に似しを食む 移公子〉など、歳時記に散見されるようだが、余り気にすることはないだろう。「ぎつしり」との擬態語は平凡なようだが、石榴の実の内部の充実感を的確に言い留めており、石榴以外の果物を想像させない確かさがある。『文藝春秋』2024年11月号。
中国原産のミカン科キンカン属の常緑低木。江戸時代に中国から導入され、本州以南の暖地の庭先などで栽培される。果実は初めは青いが、後に金色(橙黄色)に熟す。秋の季語だが、色も味も乗って食べ頃になるのは冬に入ってから。生食のほか、砂糖煮・砂糖漬けなどにする。

秋に獲れる鯖(さば)のこと。鯖は夏の産卵後栄養を十分に摂り、秋になると脂がのる。脂がのって美味しい時期は晩秋から翌年2月頃まで。 10~11月のものを「秋鯖」、12~翌2月頃までのものを「寒鯖」と呼ぶ。単に「鯖」といえば夏の季語。
下の写真は秋に獲れたゴマサバ。

過ぎ去る秋を惜しむこと。「行く秋」よりも主観のつよい言葉。古来から「春惜しむ」と相対する言葉として、和歌や俳諧で詠まれてきた。季節の中で春と秋は過ぎ去るのが惜しい季節なので「春惜しむ」「秋惜しむ」と言う。一方、「夏惜しむ」「冬惜しむ」は、レジャーが多様化し、避暑・避寒が一般的になった現在では多少の作例が見られるが、季語としての歴史は浅い。

晩秋に刈取り期を迎える稲のこと。早稲(わせ)、中稲(なかて)に比べて出穂期から完熟期までの期間が長く、短日性で、日の入りが早くなるのを待って成熟する。霜や雪に遭遇することもあり、晩稲刈りの風景は慌ただしく侘しい。
