俳句で単に祭といえば都市部の神社の夏祭をさす。悪疫退散を目的とする点で、秋に田園の神社で行なわれる秋祭(収穫祭)とは趣が異なる。山車や鉾、神輿などの巡行がある。
掲句は女の子を乗せた「祭馬」を活写した作品。古くから馬は神様の使いとして扱われ、祭行事の一つとして、馬を神馬(しんめ)として神社などに奉納する習わしも多い。掲句はその「祭馬」が興奮して、「姫」を乗せているのも忘れて足で地面を激しく踏み鳴らしたという。「祭馬」を昂らせ、周りの雰囲気に巻き込む祭の盛り上がりが目に浮かぶ。『俳壇』2025年8月号。