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俳句の庭

  • 奔流の大きくうねる新樹光

    7月 9th, 2023

    「新樹」はみずみずしい若葉をつけた初夏の木々をいう。新緑よりも、木の姿に焦点を当てた言葉だ。

    掲句は、川の真中の水量が多く勢いの激しい流れに目を注いでいてできた作品。その奔流が、両岸の木々の緑を映して大きくうねるのが遠くから見渡せた。奔流は眼前まで流れ来ると、とどまることなく、音を立てて川下へ流れ去っていった。川が、山間から平地へ流れ下っていく辺りの情景だ。平成25年作。

  • 木槿(むくげ)

    7月 9th, 2023

    中国原産のアオイ科の耐寒性落葉低木で、平安時代に渡来。暖地で自生しているほか、庭木として広く植栽され、生垣にもよく用いられる。晩夏から秋にかけて長い日数を次々に咲き続ける。葉の腋から短い花柄を伸ばし、紅紫色の五弁花をつける。一日花で、朝に咲き夕方しぼむ。園芸品種の花色は桃色、藤色、白色など多彩で、八重咲きの品種も多い。木槿の多くは、花の中央の底の部分が紅色をしていることから、底紅(そこべに)ともいわれる。

  • 灸花(やいとばな)

    7月 9th, 2023

    アカネ科の蔓性多年草。日本全国の藪や林に自生し、他の植物に絡みつきながら蔓を伸ばして生長する。7~9月頃、鐘状で外側が灰白色、内側が紅紫色の小さい花をつける。花の中心部の形がお灸(きゅう)の跡に似ていることからこの名がある。悪臭があり、屁糞葛(へくそかずら)ともいうが、よく見れば可憐なところのある花だ。

  • キャンプの火顔の左を照らしをり 吉田祥子

    7月 9th, 2023

    キャンプは、山・高原・海辺などの自然の中で野営すること。テントを張ったり、キャンピングカーを利用したりする。夜はキャンプファイアーを囲んで楽しい時間を過ごすこともあるだろう。

    掲句は、キャンプの火に自分の顔の左側が照らし出されているとの句意。当然周囲にはキャンプに興じる大勢の仲間がいるのだが、それら一切を捨象して、自らの顔に受ける火の感覚だけに焦点を絞った。そこに、賑やかな仲間に囲まれる中で作者が感じている独り心が見える。それは、集団の中にいて誰もが感じたことのある一瞬だろうと思う。『俳句界』2023年7月号。

  • 金亀子(こがねむし)

    7月 8th, 2023

    甲虫目コガネムシ科に属する昆虫の総称。成虫の体色は鈍い光沢の緑色、赤紫、黒紫色のものなどがある。幼虫は地中で作物や苗木の根などを食べて成長し、成虫は葉、果実、花を食べるものが多く、総じて害虫である。黄金虫ともいう。一方、夏の夜、灯火を目がけて飛んで来て、賑やかな翅音を立てて飛び回るのは、同じコガネムシ科に属するかなぶんで、幼虫が堆肥や腐葉土などを食べる益虫である。季語としては、かなぶんは金亀子の傍題になっている。

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