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俳句の庭

  • 緑摘む

    7月 18th, 2024

    伸び過ぎた松の新芽を適度に摘み取ること。松は、晩春の頃、枝の先に蝋燭のような形の新芽が立ち、10~30センチにもなる。これを庭師などが摘み取るのだが、この作業を怠ると枝ぶりが悪くなる。秋の「松手入」とともに松の姿を美しく整えるための大切な作業。

  • 父の日の暮れゆく雲が胸の上

    7月 17th, 2024

    「父の日」は6月の第3日曜日。父親の日頃の労苦をねぎらい、感謝を捧げる日。アメリカ発祥の祝日で、日本には第二次世界大戦後もたらされた。

    掲句は、父の日、畳に寝転んで庇の先の群雲を眺めていて、ふと亡き父のことや自らの来し方行く末を漠然と思い描いての作品。街中でも家の中でも、「父の日」には「母の日」ほどの華やぎはない。その日も梅雨曇りのまま何事もなく夕暮になった。暮れてゆく雲を眺めながら、しんみりした気分で密かに亡き父を偲ぶ。誰にも乱されたくないひと時だ。令和2年作。

  • 浴衣(ゆかた)

    7月 17th, 2024

    夏、素肌に着る一重の着物。古くは、入浴の時に用いる湯帷子(ゆかたびら)のことだった。湯帷子は、蒸し風呂に入る際に、汗をとり、火傷などをしないように素肌に着た麻の着物。今でも基本的には室内着だが、祭、花火見物、縁日など、気軽な外出着として着る人もいる。

  • 郁子(むべ)

    7月 17th, 2024

    アケビ科の蔓性の常緑低木。本州山形以南から沖縄までの山野の林縁などに自生するほか、庭などに植栽される。別名トキワアケビ。初夏の頃白色の花をつけた後アケビに似た果実が生り、晩秋には暗紫色に熟す。果肉は白く甘みがある。かつては不老長寿の果物とされ、皇室に献上されていたという。

  • 山滴るトンネルに胎貫かれ 西宮舞

    7月 16th, 2024

    「山滴る」は、緑の木々におおわれた夏の山の、万物の生命力が満ち溢れて滴るような瑞々しさをいう。

    掲句は、その夏山がトンネルで胎(たい)を貫かれているという。胎は母体内の子を宿すところで、この句の場合比喩として用いられているのだが、トンネルの貫く山の深部を端的に胎と表現したところは、女性ならではの感性。現在南アルプスなどで行われているリニア新幹線のトンネル工事など思い浮かべてはどうだろう。『俳壇』2024年8月号。

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