スズキ目スズキ亜目タイ科に属する魚類。「黄鯛」ともいう。マダイやチダイより小さい。本州中部以南の沖合いから大陸棚周辺に生息。夏場に最も脂がのって美味。塩焼き、吸い物、煮付け、唐揚げなどにして食される。結婚式などで供される塩焼きのタイは、ほとんどがこの鯛だという。なお、歳時記には載っていない。

冬の凍てついた大地が春暖で解けゆるむこと。寒さの厳しい地方の人々の生活実感から生まれた言葉。北国の凍てついた大地は、冬の間は掘り返すことができない硬さだが、凍解により柔らかな春泥に様変わりする。春の訪れを喜び安堵する北国の人々の表情が見えてくる。

広島原産のミカン科ミカン属の常緑低木。単に「八朔」ともいう。ブンタン類と他の柑橘類との交雑種とされ、暖地に広く栽培される。陰暦8月朔日頃から熟し始めることからこの名がある。初夏の頃白い花を咲かせ、冬から春にかけて収穫される。果汁が少なく酸味は弱い。なお、春に収穫される柑橘類には、松山の「伊予柑」、広島の「八朔柑」、和歌山の「三宝柑」などがある。

青木はミズキ科の雌雄異株の常緑低木。雌木は夏から秋にかけて棗に似た形の実をつけ、冬に赤く熟する。実は翌年春まで残り庭を彩る。

「花」は桜のことだが、植物としての桜よりも、心に映るその華やかな姿に重心がある。日本の春の美しさを代表する。「花月夜(はなづきよ)」は桜の花が咲いた美しい月夜のこと。
掲句は近くの川沿いの桜を詠んだもの。ほとんどが染井吉野で、ほぼ同時期に植えられたと見えて、ひと頃より梢の蕾の数が減り、見栄えがしなくなったのは致し方ないことだが、それでも花の盛りの頃夜昼となく小橋に佇むと、その華やぎや豊かさを満喫できる。誰にも乱されない贅沢な時間だ。「一朶(いちだ)」「万朶(ばんだ)」と対比することによって、咲き盛る花のボリュームを表現したかった。平成28年作。