「菊」は中国原産のキク科の多年草。奈良時代日本に渡来し、江戸時代になって観賞用としての菊作りが盛んになった。上品な香りがあり、多くの品種がある。
掲句は、令和元年10月26日に亡くなった母の忌に際しての手向けの一句。花や線香のように実際に手向けたのではなく、心の中で手向けたのである。菊といえば上品なイメージがあるが、畑の隅に乱雑に咲かせている小菊や食用菊など、深秋の頃我々が日常親しく目にする花の一つ。母の忌日は、丁度庭先や畑の菊が咲き盛る時季に当たる。朝露をびっしり置いた菊はことに美しく、香りが高い。令和7年作。


