朝立つ霞。「霞」は春の山野に立ち込める水蒸気のこと。空気中に広がった微細な水滴やちりが原因で、空や遠景がぼんやりと見える。万物の姿がほのぼのと薄れて春らしい景色となる。ただし、気象学的に明確な定義がある訳ではない。霧や靄だけでなく、黄砂や煙霧などによって景色がぼんやりと霞んで見える場合も含めて「霞」という。同じ現象を夜は「朧」とよぶ。

朝立つ霞。「霞」は春の山野に立ち込める水蒸気のこと。空気中に広がった微細な水滴やちりが原因で、空や遠景がぼんやりと見える。万物の姿がほのぼのと薄れて春らしい景色となる。ただし、気象学的に明確な定義がある訳ではない。霧や靄だけでなく、黄砂や煙霧などによって景色がぼんやりと霞んで見える場合も含めて「霞」という。同じ現象を夜は「朧」とよぶ。

「みもざ」はマメ科アカシア属のフサアカシアのこと。オーストラリア原産で、公園や庭などに植えられる。春、黄色の花を総状に泡立つように咲かせる。
掲句は柩(ひつぎ)に入れるため、「みもざ」の花を抱えたとの句意。故人との別れを惜しむために柩に花を入れる習わしは洋の東西や宗教・宗派を問わずあるようだ。花は菊や百合、カーネーションなどが多い。「みもざ」といえばその明るさや華やぎが、最も死から遠いイメージがある花だが、それだけにこの花を選んだ作者の思いが伝わってくる。また、春の最中に逝った故人の人となりにも思いが及ぶ。『俳壇』2025年4月号。
オーストラリア原産のキク科の一年草。別名「ローダンセ・ヘリプテラム」。我が国へは明治以降に渡来。草丈は50センチくらい。茎は硬く、線形の葉は互生する。4月頃、茎の先端に一つずつ、白またはピンクの菊に似た花をつける。切り花やドライフラワーなどに利用する。

アブラナ科の越年草で、カラシナの栽培品種。古く中国から渡来したとされる。高さ50センチから100センチにもなるのでこの名がある。葉や茎は柔らかく辛味がある。主産地は福岡など西日本で、おもに漬物に利用される。

「春陰」は春の曇りがちな空模様のこと。「花曇り」という言葉もあるが、「春陰」は桜の咲く頃に限らない。どこか心に翳を落とすような空合いだ。
掲句は銀座のとある画廊の扉の重い感触を詠んだもの。人体の形のドアノブを押すと、そこは画廊特有の昼の静寂。絨毯を踏んで絵の前に立つと、都会の真ん中にいることを忘れるほどだが、「春陰」の翳りが、絶えず私の心に付きまとっていた。平成22年作。