ヨーロッパ・西アジア原産のマメ科の多年草。日本へは明治時代に牧草として移入された。花期は4月から6月頃までで、蝶形の花が円錐形に集まって咲く。花卉や緑肥植物して栽培されるが、多くは野生化している。同じマメ科の「白詰草」(クローバー)は春の季語になっているが、本種は歳時記に掲載されていない。

「椿」は万葉集以来歌に詠まれ親しまれてきた春を代表する花の一つ。つやつやした肉厚の葉の中に真紅の花を咲かせる。「落椿」という言葉があるように、花びらが散るのではなく、花一つ一つが丸ごと落ちる。最も一般的な藪椿のほか、八重咲や白椿、雪椿など多くの品種がある。
掲句は近くの公園での作品。ゆっくりと上ってきた太陽が木立を抜けて椿を照らし出す頃、ラジオ体操に来ていた人々も去り、公園は静寂を取り戻す。花の蜜を吸いに来た鵯やメジロの声の中にしばらく佇んで、椿を眺めた。どれもごく一般的な一重の紅椿である。時折かさっと乾いた音がして椿が地に落ちた。令和7年作。
仏教寺院などで、夏の一定期間僧が一室に籠り修行すること。陰暦4月16日に始まり7月15日に終る寺院が多い。釈迦在世中よりインドで始まり、仏教とともに中国や日本にも伝わった。雨期に活発になる草木や昆虫、小動物に対する無用な殺生を防ぐため、個々に活動していた僧が、一定期間ひとところにこもって修行するものとされる。現在でも禅宗では、その修行が行われている。安居に入ることを「結夏(けつげ)」「結制」、安居が明けることを「解夏(げげ)」という。また、供えられる仏華を「夏花」、写経を「夏書」という。日本では冬でも行われ、これが「冬安居」。
