初旬の8月7日頃に立秋があり暦の上では秋に入るが、相変わらず暑い日が続く。しかし、処暑(8月23日頃)を過ぎる頃から朝晩は暑さも和らぎ秋の気配が感じられるようになる。また、立秋の前後に原爆忌を迎え、月の半ばには終戦(敗戦)の日が巡ってくるなど、戦争の記憶を新たにする月でもある。

初旬の8月7日頃に立秋があり暦の上では秋に入るが、相変わらず暑い日が続く。しかし、処暑(8月23日頃)を過ぎる頃から朝晩は暑さも和らぎ秋の気配が感じられるようになる。また、立秋の前後に原爆忌を迎え、月の半ばには終戦(敗戦)の日が巡ってくるなど、戦争の記憶を新たにする月でもある。

晩秋初冬に蒔かれた麦は、冬を越して晩春には青々とした穂が出る。一進一退を繰り返しながら、寒さに耐える季節から汗ばむ季節へと季節が移り変わってゆく時季である。「麦」「麦の穂」などは初夏の季語。
掲句は、青々とした麦が穂を伸ばす頃、頸(くび)を吹く風の感触の変化を詠んだもの。春先になっても、関東平野を吹く風はにべもなく冷たく尖って感じられるが、その風も漸く和らいできたと実感したのは、その時のことだった。折から、近くの麦畑の麦が真っ直ぐに穂を伸ばしていた。令和7年作。
在来種のラン科の多年草。全国の山地の林床に自生する。6月頃、淡紫褐色の花を総状花序に下向きにつける。花の姿を武将が合戦の指揮をとるときに用いた采配(さいはい)に見立ててこの名がある。シュンラン、エビネ、シラン、ウチョウラン、フウラン、クマガイソウ、ネジバナなどとともに在来種の蘭(らん)の一つだが、歳時記には掲載されていない。単に「蘭」といえば東洋蘭を指し、秋の季語になっている。

「鶯(うぐいす)」はスズメ目ウグイス科ウグイス属の留鳥。全国の山地の明るい笹藪などに生息する。春先は覚束なかった鳴き声も、春が深まるにつれて美しくなる。
掲句は高嶺が新雪を被った朝の情景を詠んだもの。晩春初夏の頃、山麓や山腹に雨が降ると、山頂辺りが雪になることはよくあることだが、その朝雨上がりに戸外に出たときも、赤岳などの八ヶ岳連峰は目の覚めるような新雪を被り、折りからの日の出を受けて朱鷺色(ときいろ)に染まっていた。昨日までの残雪に、さらに雪が降り重なったことが遠見にも分かった。令和7年作。