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俳句の庭

  • 依願退職バナナはやわらかく折れる 神野紗希

    6月 11th, 2025

    「バナナ」は熱帯アジア、マレーシア原産のバショウ科の多年草、又はその果実のこと。熱帯地域産の果実の中で日本人にもっとも親しまれているものの一つ。

    掲句は「依願退職」したときの心情を、柔らかく折れるバナナにより表現した作品。「依願退職」は周知のように従業員が会社に願い出て、双方の合意により退職すること。本当はクビになるところを、会社側の温情でこの形をとることもある。誰を傷つける訳でもなく双方円満に収まったのである。だが、安堵感の一方で、作者は、そうした微温的な世の中のあり方に物足りなさも感じている。バナナのやわらかな手応えも丁度そんな感じだ。『文藝春秋』2025年7月号。

  • 新季語探訪(25)

    6月 10th, 2025

    「沖縄忌」は6月23日。太平洋戦争末期、沖縄は日米最後の決戦地になり、多くの民間人が犠牲になった。沖縄の日本軍が壊滅したこの日が慰霊の日とされた。「沖縄忌」は慰霊の日にちなむ忌日季語。

    戦後しばらくの間、6月23日の慰霊の日は沖縄県独自の追悼日だったが、1972年の本土復帰以降全国的にも知られるようになった。そして、1980年代以降、「広島忌」「長崎忌」などと同様に戦争の記憶を俳句に留めるべきではないかという機運のもとで、「沖縄忌」が俳句に詠まれ始めた。

    沖縄忌海に面した墓ばかり 中村和弘

    沖縄忌唇ばかり覚えいる  池田澄子

    現在、主要な歳時記では、沖縄戦の戦没者を悼み、平和を祈る忌日季語として掲載されている。「広島忌」などの他の忌日季語と比べると、南国の美しい自然と戦争の惨禍の著しい対照が、独特の詩情を醸し出している。

    戦争の記憶を風化させないためにも、今後も詠み続けたい季語である。

     

  • モナルダ

    6月 10th, 2025

    北米原産のシソ科の多年草。和名は「松明花(たいまつばな)」「矢車薄荷(やぐるまはっか)」。その芳香がイタリアの柑橘類ベルガモットオレンジの香りを思わせることから、「ベルガモット」の別名もある。庭園などに栽培され、夏、赤い花が盛り上がるように咲く。品種が多く、花色は赤のほか桃色、白、紫など。乾燥させた葉や花はハーブティーや芳香剤に利用される。なお、歳時記には掲載されていない。

  • ライ麦

    6月 10th, 2025

    小アジア原産のイネ科の栽培植物。別名「黒麦」。日本での名称は、英語のryeに麦をつけたもの。食用や飼料用として、ヨーロッパや北アメリカを中心に、特に主にコムギの栽培に不適な東欧、北欧などの寒冷地において栽培される。日本への導入は明治初期。他の大麦、小麦などと同様、晩秋初冬に種を蒔き、翌年の初夏に刈り取られる。実を製粉して黒パンを作るほか、麦芽はウオツカやビールの原料となる。俳句では「麦」の傍題。

  • ペン軸のきらりと雲雀のぼりゆく

    6月 9th, 2025

    「雲雀(ひばり)」はスズメ目ヒバリ科の留鳥(北海道を除く。)で、日本各地に広く分布する。繁殖期には、野原や畑地などに皿型の巣を作る。雄は空高く舞い、甲高い声でさえずる。

    掲句は、牧草地に営巣している雲雀を見かけて詠んだもの。雲雀がさえずりながら青空を上って行ったとき、手に握っているペン軸(ペン先を取り付けるための棒状の柄のこと)がきらりと光ったとの句意。フランス絵画の歴史の中に「外光派」と呼ばれた一群の画家たちがいるが、私も作句の契機を戸外で得ることが多い。戸外に出ていると、予め頭の中で考えていなかった詩の恩寵を受けられるような気がする。そんな時は、忘れないようにその場でノートに書き留める。平成7年作。『河岸段丘』所収。

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