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俳句の庭

  • 弟切草(おとぎりそう)

    8月 1st, 2025

    日本を含む東アジア原産のオトギリソウ科の多年草。平地や山地の道ばた、草原に自生する。夏から初秋にかけて、枝分かれした先に黄色い一日花をつける。対生する葉には利尿、虫下し、切り傷、止血、神経痛などの薬効がある。その薬効を弟が他人にもらしたため、怒った兄が弟を切り殺したという平安時代の伝説がある。

    下の写真はヨーロッパに自生するセイヨウオトギリ。

  • たんぽぽの綿毛旅程をはづれゆく 内野義悠

    7月 31st, 2025

    蒲公英(たんぽぽ)は花の後綿状の種子になり、風に乗って四方に散らばる。「蒲公英の絮(わた)」(春季)は蒲公英の傍題。

    掲句は「旅程」を離れてゆく蒲公英の綿毛を詠む。「旅程」は作者の辿りつつある旅の道のりとでも解しておきたい。目をとめた蒲公英の綿毛が、作者の旅路から逸れて彼方へと飛び去ってゆくのだ。作者の前方に旅路が延びているように、蒲公英の綿毛も果てしない旅の途中にある。それを見送る作者の胸中の淡い旅愁も感じ取れる。『俳句四季』2025年6月号。

  • 麝香草(じゃこうそう)

    7月 31st, 2025

    日本固有種のシソ科の多年草。山地の谷間や沢沿いなどに自生。初秋の頃、淡い紅紫もしくは白色の唇形の小花を咲かせる。花のほか茎や葉にも香りがあり、乾燥させたものは、薬用・香辛料として用いられる。

    下の写真は、ヨーロッパ原産のシソ科の多年草ブロードリーフタイム。なお、タイムはイブキジャコウソウ属の植物の総称。

  • スカエボラ

    7月 31st, 2025

    オーストラリア原産のクサトベラ科の多年草(日本では一年草扱い)。別名ブルーファンフラワー。夏から秋にかけて扇状に広げたように青、白、ピンク、紫などの花を咲かせる。なお、歳時記には掲載されていない。

  • 雪加来て啼く湿原の白骨樹 しなだしん

    7月 30th, 2025

    「雪加(せっか)」はセッカ科の鳥類で、本州以南の低地から山地の草原で繁殖し、冬期は西日本の暖かい地域に移動する。葉にいる昆虫等を捕食する。

    掲句は、湿原の白骨樹(はっこつじゅ)に来て啼く「雪加」を詠んだ作品。夏の繁殖期、己の縄張りを他の仲間に知らせるために啼いているのだ。朽木の先に来てヒッヒッヒッと弾力のある声で高らかに啼く雄の「雪加」の姿が目に浮かんでくる。白骨樹といえば、風雪に晒された朽木の白々とした残骸が思われて印象深い。『俳句』2025年8月号。

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