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俳句の庭

  • 王廟のほとりに冷えて龍の玉

    12月 18th, 2025

    「龍の玉」はユリ科の多年草ジャノヒゲの実のこと。山中の暗い林床に自生するほか、庭園などの木蔭に植えられる。冬、株元にコバルト色の実が生る。

    掲句は高麗王廟での作品。この王廟は、7世紀に日本へ渡来した高句麗の王族高麗王若光の墓とされ、日高市の聖天院にある。石を重ねただけの素朴な石塔を眺めながら、渡来の民がこの地に根付いた歳月の永さを思った。王廟の縁には、ジャノヒゲが植えられてあった。平成11年作。『河岸段丘』所収。

  • 日記買ふ

    12月 18th, 2025

    年末に、新しい年の日記を購入すること。年末近くになると書店などでは来年の日記が平積みされる。単年度用の日記帳のほか、3年日記・5年日記・10年日記などもある。来年への希望や期待が込められた季語。

  • 星冴ゆ

    12月 18th, 2025

    厳しい寒さの中で、モノや音に透き通ったような、凜とした冷たさを感じることが「冴ゆ」 。「月冴ゆ」「鐘冴ゆ」のようにモノや光、音に付けて使うことが多く、「星冴ゆ」もその一つ。澄み切った冬の夜空に、星の輝きがひときわ強く、冷たく感じられる。「冴ゆ」の傍題。

  • くらがりに牛の乳張る黍の花

    12月 17th, 2025

    黍はイネ科の穀物で、秋に収穫される五穀の一つ。古くから日本で栽培されてきた。丈が高く、夏から秋にかけて花を咲かせる。

    掲句は八ヶ岳東麓の野辺山高原での作品。乳搾り体験や乗馬もできる観光牧場を訪れた。酪舎の暗がりに扇風機が回り、母牛が重たげな身を横たえていた。窓の外の黍畑を吹く爽やかな風とは対照的に、酪舎内には牛の臭いに加え、暑さと暗さが充満していた。平成11年作。『河岸段丘』所収。

  • 烏瓜枯る

    12月 17th, 2025

    「烏瓜(からすうり)」はウリ科の蔓性多年草。本州以南から沖縄までの山野に自生する。晩秋の頃、実が朱色から紅色に熟す。冬、霜が降りる頃になると、葉や蔓は色褪せて力を失い、実も色が抜けて枯色を呈する。

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