
ここ数日の風で、公園のユリノキの葉が残らず落ちた。枝に残る実は翼のある種子が松笠状に合体した集合果だというが、12月も半ばになると、外側部分だけがコップのように残っている。

ここ数日の風で、公園のユリノキの葉が残らず落ちた。枝に残る実は翼のある種子が松笠状に合体した集合果だというが、12月も半ばになると、外側部分だけがコップのように残っている。
凍りつくように寒くて、しかも快晴であること。非常に寒いにもかかわらず、空が澄み渡って晴れている状態。「冬晴」も同種の季語だが、「凍晴」は、凍てつくような寒さと晴れた空のコントラストに重きが置かれている。「冱(い)つ」の傍題。

「名の木枯る」は、一般に馴染みがあり名の知れた落葉樹が葉を落とした状態になること。具体的に樹木名を入れることが多く、「楤(たら)枯る」もその一つ。楤の木はウコギ科タラノキ属の落葉低木で、各地の山地に自生する。葉が落ちた後、枝の先端などに硬い鱗片に覆われた冬芽がつく。春先の若芽は山菜の代表。

「龍の玉」はユリ科の多年草ジャノヒゲの実のこと。山中の暗い林床に自生するほか、庭園などの木蔭に植えられる。冬、株元にコバルト色の実が生る。
掲句は高麗王廟での作品。この王廟は、7世紀に日本へ渡来した高句麗の王族高麗王若光の墓とされ、日高市の聖天院にある。石を重ねただけの素朴な石塔を眺めながら、渡来の民がこの地に根付いた歳月の永さを思った。王廟の縁には、ジャノヒゲが植えられてあった。平成11年作。『河岸段丘』所収。
年末に、新しい年の日記を購入すること。年末近くになると書店などでは来年の日記が平積みされる。単年度用の日記帳のほか、3年日記・5年日記・10年日記などもある。来年への希望や期待が込められた季語。
