茶摘みの最盛期は、ゴールデンウィークを挟んで前後の1~2週間。その頃摘んだものが一番茶で、俳句で「茶摘時」といえばその時期を指す。新芽が出る頃の茶畑は、萌黄の絨毯を敷き詰めたように美しい。その明るさの中を、四、五人の茶摘女たちが、向かい合いながら黙々と摘み進んでいく。茶園の生垣に新茶の幟が立つのもその頃だ。ただ、近年は、一部の高級茶を除いて、機械刈りが一般化してしまったので、かつての茶摘みの光景を目にすることは稀になった。また、かつては一番茶の後、6月下旬から7月上旬に二番茶、7月下旬から三番茶が摘まれていたが、近年は廃れてしまった。






