冬の寒気が去ると、氷っていた水は解け出して、日差しの中をきらめきながら流れる。早春の頃の水には刺すような冷たさがあるが、春が深まるにつれて温んできて、諸々の命を育む「春の水」となる。


冬の寒気が去ると、氷っていた水は解け出して、日差しの中をきらめきながら流れる。早春の頃の水には刺すような冷たさがあるが、春が深まるにつれて温んできて、諸々の命を育む「春の水」となる。


日本や東アジアの沼沢地に自生するアヤメ科の多年草。観賞用にも栽培される。葉は剣状で中央脈がなく、花茎は分枝せずに頂に濃紫色の花を咲かせる。花期は5、6月頃。花の姿が飛燕を思わせるところから「燕子花」と書くが、「杜若」との表記もよく見掛ける。

山野に自生するシソ科の多年草。高さは20~30センチ程。初夏に、茎の先端近いところに唇のような形をした白や紫色の花をつける。名前の由来は、一茎の花が同じ方向を向いて咲き、打ち寄せてくる波頭のようにみえることから名づけられたという。種を蒔いた訳でもないのに、庭先や路傍に咲いているのを見掛ける。繁殖力が強いのだろう。

「筍」は、イネ科タケ亜科タケ類の地下茎から出る若芽のこと。「筍」が出る時期は、竹の種類によって、また、地方によって若干異なる。食材としての「筍」の旬は、孟宗竹が3月から4月、淡竹、真竹が4月から6月、根曲がり竹が5月中旬頃からだが、俳句では「筍」は初夏の季語になっている。穂先が地上に現れると次第に固くなり、えぐみも強くなるため、地面に顔を出すか出さないうちに収穫する。

スイカズラ科の落葉低木で、生長すると人の背丈を凌ぐほどになる。初夏、白色の小花が球形に集まって咲く。眩しい五月の陽光に弾むように咲く姿は魅力的だ。薄緑色のものや、うすうすとピンク色に染まったものなどもある。なお、晩春に咲く「こでまり」はまったく別種(バラ科)の植物。
