七種(ななくさ)は1月7日の人日の節句のこと。この日、粥に芹、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)の春の七草を刻み込む。七草は七種とも表記する。
掲句は七種の日、粥に刻み込む春の七草を詠んだ作品。芹や薺などそれぞれの色合いを持つ草々が、刻み込んで混じり合うと、萌黄色ひと色になったという。その色といい香りといい、自ずから新年の目出度さが感じられる。『俳壇』2025年1月号。
七種(ななくさ)は1月7日の人日の節句のこと。この日、粥に芹、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)の春の七草を刻み込む。七草は七種とも表記する。
掲句は七種の日、粥に刻み込む春の七草を詠んだ作品。芹や薺などそれぞれの色合いを持つ草々が、刻み込んで混じり合うと、萌黄色ひと色になったという。その色といい香りといい、自ずから新年の目出度さが感じられる。『俳壇』2025年1月号。
「年新た」は一年の始めのことで、新年、年立つ、年明く、年改まる、年来る、年迎ふなどともいう。見るもの全てがめでたく改まって感じられる。
掲句は神楽の舞人が舞い終わって、翁面(おきなめん)を外したときの一瞬の感受を句にしたもの。正月に初神楽を舞って神に奉納するところは多い。作者も初詣に訪れた地元の神社で神楽を見物していたのだ。翁面を外したとき現れる素顔が、やはり翁だったというところに、軽いおかしみと目出度い気分がある。年酒に少し酔った眼には、青々とした正月の空が広がっていることだろう。神楽には宮中の御神楽(みかぐら)と里神楽があるが、この句には里神楽らしい親しみやすい普段着の雰囲気がある。『俳壇』2025年1月号。
「すばる」は冬の夜空を飾る牡牛座の中のプレアデス星団の和名。宵の空にいち早くのぼり、6、7個の星のかたまりが天頂近くに仰がれる。「寒昴」「昴宿(ぼうしゅく)」「六連星(むつれぼし)」とも呼ばれる。
掲句は「寒すばる」の星々の光が触れ合い、音として降ってくるという。「音」と言いながらも騒がしさはなく、しんと冴えわたる天空の星々が見えてくるところがいい。星の光を音と感受するところに作者の詩心の純粋さが感じられる。『NHK俳句』2024年12月号。
「夜寒」は晩秋の頃、日中感じられなかった寒さが、夜になって感じられること。
掲句は、朝晩の寒さを感じ出す晩秋の頃の都会生活の一場面を切り取った。秋が深まってくると、夜の訪れが早くなり、暗い家路を辿ることが増えてくる。「ヘッドライトを顔に浴び」には、夜道を来て、不意に自動車のヘッドライトに照らし出された驚きが表れている。そのヘッドライトの鋭利な光は、冬が直ぐそこまで来ていることを思わせる。『俳句』2024年12月号。
月は四季を通して仰がれるが、冬の月は寒さの中で磨ぎ澄まされたような光を帯びる。その冴え冴えとした光には、荒涼とした寂寥感がある。
掲句は冬の月光を「金銀のあはひのいろ」と形容した。確かにその光は黄色、金色などと形容するには余りに冴えわたっていて、丁度、金色に銀色を溶かし込んだような塩梅。一読、冬の月光を浴びて立っているような錯覚を覚えさせるのは、「あはひ」との措辞の故だろう。「あはひ」は漢字表記では「間」で、色の配合のこと。作者の精妙な色彩感覚に脱帽する。『俳句界』2024年12月号。