「雪」は春の花、秋の月と並んで冬の美を代表する。たまに降る少量の雪は風情があっていいものだが、雪国と呼ばれる日本海沿岸の豪雪地帯では、雪は白魔と恐れられる気象現象。
掲句は「雪」の語を重ねて、いつまでも降り続ける雪を字面(じづら)の上で視覚的に表現した作品。降り続ける雪の重みに耐えかねて夜闇が軋むのではないかというのだ。雪が降り続ける不安は、夜の明け白むまで作者の心を圧迫し続ける。『俳句界』2025年1月号。
「雪」は春の花、秋の月と並んで冬の美を代表する。たまに降る少量の雪は風情があっていいものだが、雪国と呼ばれる日本海沿岸の豪雪地帯では、雪は白魔と恐れられる気象現象。
掲句は「雪」の語を重ねて、いつまでも降り続ける雪を字面(じづら)の上で視覚的に表現した作品。降り続ける雪の重みに耐えかねて夜闇が軋むのではないかというのだ。雪が降り続ける不安は、夜の明け白むまで作者の心を圧迫し続ける。『俳句界』2025年1月号。
「寒に入る」は小寒から節分までの約30日間の寒に入ること。小寒は1月5日頃で、この頃一年で最も寒さの厳しい時期に入る。言葉に身の引き締まるような響きがある。
掲句は、寒を迎えるに当たって、「鋼のやうな一句」が欲しいと念じての作品。俳句を作り慣れてくると、通り一遍の作品はいくらでもできるが、言霊の宿るような、天から授かったような底光りのする作品を作るのは至難の業であることは、誰もが身にしみて感じているだろう。詩を志す作者の願いは「鋼のやうな」の措辞に集約されている。『俳句』2025年1月号。
「息白し」「白息」は、冬になり大気が乾燥して低くなると、人や動物の吐く息が白く見えること。
掲句は、冬の夜、屋外で星を見上げているところだろう。折からの寒さで夜目にも吐く息が白く見え、白息の先には星が明るくまたたいている。その白息と星が繋がっていると感受したことがこの句のポイント。作者と星はともに息づくものとして、宇宙の大空間の中に浮かんでいるのだ。作者の自然観・宇宙観も垣間見える一句。『俳句』2025年1月号。
「初明り」は元日の朝に東の空からほのぼのと差してくる曙光をいう。年が改まった冷気の中を差す曙光は荘厳で淑気に満ちている。新しい一年の始まりを感じさせる。
掲句は年が改まって明け白んでくる山とその山裾に住む家々の情景を詠んだ作品。「初明り」が山容をくっきりと浮かび上がらせているが、山裾はまだ夜の明けきれない闇が家々をつつんでいるのだ。新たな年がうごきだすさまを、「初明り」と山裾の灯の対比により描き出している。『俳句』2025年1月号。
「年新た」は始まったばかりの年のこと。年の始め、見るものすべてがめでたく改まって感じられる。
掲句は新たな年を迎えたことを、旧年が西へ去り、新年が東から来ると詠んだ。西に沈み、東から昇るのは太陽だが、年もまた太陽と同じように西に去り、東から来るとの感覚は、誰もが持っているように思う。人々は、一月一日の朝日を初日として特別な目で眺めるが、それは新たな年を迎えた感慨と一体になっている。太陽を神として崇めた古来からの人の信仰心にも思いは及ぶ。『俳句』2025年1月号。