「虹」は雨の後、太陽と反対側の空に現れるアーチ状の七色の帯。一年中見られる現象だが、夏の夕立の後などに現れることが多い。通常虹は一重だが、強い太陽の光のもとで、虹の外側にもう一本のうすい虹ができることがある。
掲句は二重(ふたえ)の虹が出ている空を仰いでの作品。「相思」とは互いに思い慕うこと、離れていて相手を恋しく思うことで、寄り添うように現れた二重の虹が、お互いに慕い合っているようだとの句意だろう。この句は、それ以上のことには触れていないが、「秋思の空」との簡潔な表現が、浪漫で香り高い味わいをもたらしている。『俳壇』2026年11月号。