そこらじゆう風そこらじゆうねこじやらし 古賀しぐれ

「狗尾草(えのころぐさ)」はイネ科エノコログサ属の一年草で、一般的には「猫じゃらし」の名で親しまれている雑草。花穂を猫の前に差し出すと、猫が喜んで戯(じゃ)れることからついた俗称である。夏から秋にかけて、茎の先端に円柱形の緑色の穂(花序)をつける。

掲句は、身辺のどこにでも生えるありふれた雑草「ねこじやらし」を、「そこらじゆう」のリフレインにより描き出した作品。短詩型の限界を逆手にとって、一切の描写を省き、「ねこじやらし」とそれを揺らしている風だけに焦点を絞ったところがいい。「そこらじゆう」との大掴みな日常語が、「ねこじやらし」の本意に適っている。『俳句』2026年9月号。


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