俳句で単に「祭」といえば、悪疫退散を目的として夏に行われる神社の祭礼のこと。山車や鉾、神輿などの巡行があり、舞などの奉納が行われる。境内や門前には夜店が立ち並び、多くの人でにぎわう。
掲句は、赤く大きな蠅の目を点出して、周囲の祭の熱気を感じさせる作品。祭衆や見物の人たちを頭上から日が照りつけ、汗で四肢を光らせた男たちが山車を曳き、神輿を担ぐ。そのような四囲の情景描写を一切省略して、人々の間を飛び回る蠅の目に感覚を集約したところが巧みである。省略は俳句の骨法の一つ。『俳句』2026年8月号。
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