風を来て風と別るる秋燕 大木あまり

秋燕は南方へ帰る途中の燕や、秋の空を飛ぶ燕のこと。春に日本へ来て子育てをした燕は、秋に群れをなして南方の国へ帰っていく。

掲句は、初秋の風の中の燕を詠んだ作品。「風」のリフレインが、風の中を翔ける秋燕の姿を浮かび上がらせるとともに、燕との別れにともなう作者の胸裏のもの寂しさをも感じさせる。日本の風にすっかり馴染んだ燕に、別れのときが近づいているのだ。過ぎ去ろうとしている夏を惜しむ思いもあるだろう。『俳句』2026年8月号。


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