「卒業」は学業の課程を終えて学校を去ること。幼稚園から大学まで、それぞれの段階で卒業がある。日本の卒業式は3月に行われることが多く、春の季語。
掲句から、学校玄関に児童・生徒の下駄箱がある小中学校の卒業式を思い浮かべた。その日卒業して去っていく子供たち一人一人の下駄箱が、空っぽの「千の闇」となって残される。卒業生たちが学校を去った後の、残された人の空虚感は、鳥が巣立った後の古巣のようなものか。特に教える側にいた人たちは、教え子が無事に巣立った喜びとともに、心にぽっかり穴が開いたような寂しさを感じることだろう。『俳句』2026年6月号。