「水中花」はコップや鉢の水に入れると、水を吸ってきれいに開く人工の造花(玩具)のこと。江戸時代に中国から伝来し、かつては酒席の遊びとしても流行した。
掲句は、本棚の本を二三冊抜いて、その空いたスペースに水中花を置いたという。日常のさり気ない動作を「水中花」という夏の季物とともに淡々と詠んだ作品だが、暑い夏を本に親しみつつ過ごす作者の平穏な日々が浮かび上がってくる。「水中花」は、夏を心地よく過ごすために欠かせないものとして、いつも作者の身辺にある。『俳句四季』2026年6月号。
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