てのひらに鉄棒の錆夏めく日 直人
「夏めく」は、立夏(5月上旬)を過ぎ、日差しや風、草木の緑などに夏の気配が感じられること。景色だけでなく、街を行く人の服装や日々の生活などにも夏らしさを見出す。
掲句は、錆びてざらついた鉄棒を握ったとき、その感触に夏の到来を感じ取っての作品。作者は、一瞬の感受をすかさず一句に仕上げた。句の素材は日常のどこにも転がっていることを改めて認識させる作品だが、同時に、作者の感性が日常から研ぎ澄まされていないと、見逃してしまう素材でもある。『遍照』所収。
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