「どんど」は小正月(1月15日頃)に行われる火祭りのこと。門松や注連飾りを焚き上げて無病息災を祈る。竹を組んで燃やし、その火で餅を焼いたりする。「左義長(さぎちょう)」の傍題。
掲句は、「どんど」で焚き上げに用いる竹を引きずって運んできたところを詠む。行事が行われる前に、竹を切り出し、櫓状に組み上げるのだ。雪や砂の上を曳いてきたとの表現から、その地の風土が浮かび上がるところがいい。「どんど竹」との簡潔な言葉が、行事の始まる前の雰囲気をヴィヴィッドに伝える。『俳句』2026年4月号。
「どんど」は小正月(1月15日頃)に行われる火祭りのこと。門松や注連飾りを焚き上げて無病息災を祈る。竹を組んで燃やし、その火で餅を焼いたりする。「左義長(さぎちょう)」の傍題。
掲句は、「どんど」で焚き上げに用いる竹を引きずって運んできたところを詠む。行事が行われる前に、竹を切り出し、櫓状に組み上げるのだ。雪や砂の上を曳いてきたとの表現から、その地の風土が浮かび上がるところがいい。「どんど竹」との簡潔な言葉が、行事の始まる前の雰囲気をヴィヴィッドに伝える。『俳句』2026年4月号。
芽吹き始めた森のこと。樹種ごとに新芽の色が黄、黄緑、赤緑、緑などと異なるため、色彩鮮やかな森となる。広葉樹林では、鳥が盛んに鳴き、地上では獣や虫が活発に動き始める。「春林(しゅんりん)」もほぼ同様の意味合いだが、「春の森」には自然の力で木々が鬱蒼(うっそう)と生い茂っているイメージがある。

「鷹」はタカ科の野鳥で、日本で見られるのはクマタカ、オオタカ、ノスリ、トビ等。肉食性で、哺乳類や両生・爬虫類、昆虫類等を捕食する。全国の低地から山地の林内で繁殖し、主に留鳥として分布する。このうち「大鷹」は人里近くの雑木林などにも棲む。羽の色が青みがかった灰色をした鷹を意味する「蒼鷹(あおたか)」に由来する名であり、大きさはトビよりも小さく、中型の鷹に属する。鷹狩に使われているのは主にこの鳥である。「鷹」の傍題。

一群の鳥やや高き薄暑光 直人
「薄暑(はくしょ)」は、初夏の頃のやや汗ばむほどの暑さをいう。本格的な暑さが到来する前の、軽やかな心地よさがある。大正時代に定着した感覚的な季語。この時季の透明感のある光や鮮明な物の輪郭に焦点を当てる場合、「薄暑光(はくしょこう)」という。
掲句は、初夏の透き通るような日差しの中で、頭上を越えていく「一群の鳥」を仰いでの作品。鳥たちの飛んでいく高度が、常に見慣れている飛翔よりやや高いとの感受は、折りからの「薄暑光」の中でくっきりと浮かび上がる。それは、鳥たちの飛翔を常に見慣れているからこそ感受できたものだろう。土着者の目がさり気なく生きている作品。昭和47年作。『日の鳥』所収。
櫟(くぬぎ)はブナ科の落葉高木。山地や林に自生する。花は雌雄別で、晩春初夏の頃、雄花は小さな黄褐色の花を穂状に垂らし、雌花は小さな赤い花を葉の付根に咲かせる。受粉した花は、秋には団栗(どんぐり)として熟す。
