初時雨(はつしぐれ)

その年の冬の初めての時雨(しぐれ)。時雨は、晩秋から初冬にかけて降ったり止んだりするにわか雨全般を指し、そのうち晩秋に降るにわか雨を秋時雨、初冬に降るにわか雨を、単に時雨と称する。「初時雨」には、ものが枯れ急ぐ季節が到来した侘しさに、新たな季節を迎えた心の華やぎが交差する。「初空」「初富士」「初鰤」など「初」の一字を冠した季語共通の弾むような明るさには、四季の移ろいの中に生きる日本人の心情が投影しているようだ。

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