アブラナ科アブラナ属の野菜。「野良坊菜」と漢字表記されることもある。来歴は不明だが、闍婆(じゃば、現在のジャワ島)を経由してオランダの交易船が持ち込んだセイヨウアブラナの1種という説がある。江戸時代初期から東京都の西多摩地方や埼玉県飯能市周辺で栽培される。前年の初秋の頃に種をまき、畑に苗を植え付け、冬を越したのちに3~4月頃に成長してきた花茎を折り取って収穫する。茎の部分が美味で、おひたしや和え物にする。ローカルな野菜なので歳時記に掲載されてはいないが、春の菜類を総称する「春菜」として詠むことはできるだろう。なお、春の菜類の中で、「鶯菜」、「壬生菜」、「芥菜」、「水菜」などは春の季語になっている。
