「種茄子(たねなす、たねなすび)」は、種を採るために捥がずに残す茄子のこと。晩秋の頃、傷つき色褪せて、畑の隅に垂れている。
掲句は、天気が安定して晴天が続く晩秋の頃の茄子畑を詠んだ一句。秋の長雨の季節については「秋湿り」という季語があるが、それとは対照的に、その頃は空も大地も気持ちよく乾き、爽やかな日が続く。捥ぎ残った「種茄子」が物思いに沈んだように濃紺の色を一層深めていた。「天地(あめつち)」という言葉を用いて、対象を大きく捉えようとした。平成28年作。
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