本来は、秋の一日の夕暮れという意味だが、秋という季節の終わりという意味も併せ持つことが多い。この二つの意味が混然一体となっている場合もあり、どちらの意味に当たるかを截然と区別することは難しい。「秋の暮」はもともとは新古今集の三夕の歌の情調を引き継いで秋の一日の夕暮れの意であり、秋も末の頃を指す「暮の秋」とは別の意味だったが、作例の積み重ねの中で、この二つの意味を併せ持つようになった。なお、三夕の歌は『新古今集』所収の<さびしさはその色としもなかりけり真木立つ山の秋の夕暮 寂蓮> <心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮 西行><見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮 定家>のこと。
