短い夏の夜をいう。夜の時間の長さは、太陽と地球の関係がつくる季節によって変化する。春分の日以降夜は昼より短くなり、夏至は最も夜が短く、4時頃から空が明け白んでくる。「短夜」には、そうした実際の夜の短さに加えて、明けていく夜を惜しむ思いがこもる。『枕草子』では、「夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍おほく飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし」と夏の夜の情趣を称えている。夏の夜は、明けるのが惜しまれる夜でもあった。
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