遠欅はればれとあり風鶴忌 鈴木しげを

「風鶴忌(ふうかくき)」は俳人石田波郷の忌日で11月21日。昭和44年のこの日56歳で没した。

作者は石田波郷門。掲句は、没後半世紀を過ぎた師を偲ぶ作として、からりとした風合いをもつ。〈松籟の武蔵ぶりかな実朝忌 波郷〉の作があるように、伊予の出身でありながら出京後は武蔵野の風土に親しんだ波郷に、欅の遠い樹影を重ねて、今なお褪せることのない波郷の俳句や人となりを改めて思い起こしているのだ。『俳壇』2024年2月号。

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