プールに透明な水が張られ、子供や大人たちが水しぶきをあげながら泳ぐ姿が見られるようになると、盛夏の訪れを実感する。
掲句は学校での水泳指導の情景だろうか、今まで潜水していた子が、水の上に顔を出す瞬間を捉えた。頭から顔へと流れ落ちる水。水上で空気を胸一杯吸える喜びが満面に表れる。泳ぎ切ることができた満足感もあろう。泳ぐことのほかに雑念のなかった笑顔だ。「今生れしごとく」との形容は、そこに居合わせた作者に、天啓のようにもたらされた表現だと思う。『俳句』2023年9月号。
kknmsgr
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