胸元になじむ夕風瓜膾 清水和代

膾(なます)は本来、魚・貝・獣などの生肉を細かく刻んだものだが、後に、大根や胡瓜などの野菜を刻んで揉み、生のまま調味酢であえた料理をもさすようになった。瓜膾もその一つで瓜揉(夏季)の傍題。さっぱりした味付けや瓜の歯応えが涼味をもたらす。

掲句は、胡瓜などをその場で刻んで料理する場合でも、持参してきた弁当を広げる場面でもいいだろう。いずれにしても、開放感のある屋外や窓辺での食事風景。暑さが収まっていく夕暮時の風が心地よい。「胸元になじむ」に、女性特有の感性が働いている。『俳壇』2023年7月号。


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