公園や庭園は年を通して四季折々の風情を楽しめるが、生き生きと木々が芽吹き、色とりどりの花を咲かせ、芝が青み、梢に鳥たちの囀りが聞かれるようになる春は、ことに心惹かれる場所だ。そこは、常日頃の忙しない日常とは別の時間が流れているようだ。職場が近くにある人が、束の間の昼休みを憩いに来る。絵画教室の生徒らしい人たちが、木陰などに思い思いに画架を立てている。ベンチで一人弁当を広げている人もいる。子供たちは夢中になって遊具に集まっている。木の周りには、自転車や乳母車が乗り捨ててある。冬の寒さから解放されて、誰にも拘束されることなく、思い思いに過ごせるのが、「春園」の魅力だ。

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