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俳句の庭

  • 芭蕉の推敲(17)

    10月 31st, 2023

    あなたふと木の下闇も日の光 芭蕉                          元禄2年4月1日日光東照宮に参詣した折の作で、同行した曾良による『曾良書留』に見える。陽暦では5月中旬の初夏に当たる。小暗い木の下闇にまで神君の恩沢が及ぶという神君礼賛の寓意があらわだ。真蹟懐紙には上五「あらたふと」との句形もある。

    あらたふと青葉若葉の日の光 芭蕉                                 『おくのほそ道』ではこの形に改められた。芭蕉が、当日、青葉若葉に降り注ぐ初夏の陽光のきらめきに目を奪われたであろうことは、想像に難くない。それが日光の神域への賛美にもなっている。日光には古くから二荒神社があり、また、密教の霊地であった。旅先で直接経験した感動がこの推敲に生かされている。もちろん、日光大権現の恩沢も、日の光の中に含まれる。                 

  • 開きたる扇の上の東山 伊藤伊那男

    10月 31st, 2023

    俳句で「扇」といえば、あおいで涼を取るためのもの。竹や木を骨にして、紙、絹等を張って涼し気な色彩をほどこしたものが一般的だ。

    掲句は、旅中持ち歩いている扇を、涼をとるために開いたところだろう。扇を開いた瞬間、その上に眼前の東山が緑滴らんばかり。東山は京都の東に位置する温和な山々の連なりだ。夏の京都の自然美を代表する東山を詠み込んで、旅中の作者の心の弾みの感じ取れる一句。『俳壇』2023年11月号。

  • 霜降(そうこう)

    10月 31st, 2023

    二十四節気の一つ。太陽暦では10月23日頃。朝晩の冷え込みが増し、夜間の放射冷却で霜が降りはじめるころ。露が霜に変わり、だんだんと冬が近づいてくる。

  • 秋茄子

    10月 31st, 2023

    秋になって穫れる茄子。茄子は夏から秋にかけて旬を迎えるインド原産の野菜だが、単に茄子といえば俳句では夏の季語。夏の茄子は暑い時期に成長するので、強い日光を浴びて、皮が厚く実の詰まった茄子になるが、秋茄子は昼夜の気温差と穏やかな日光の中で育つので、皮が柔らかく水分を多く含んだ茄子になるという。

  • そのこゑのその下駄の音月夜かな 廣瀬町子

    10月 30th, 2023

    単に月、月夜といえば秋の月をさす。秋は空が澄み、月が大きく明るく照りわたることによる。ひと口に月といっても、初秋、仲秋、晩秋の月にはそれぞれの趣がある。

    掲句は大気が澄んでくる仲秋の頃の月夜を思いたい。「その」は 空間的、心理的に作者に近い人や物をさす言葉。声や下駄の音の主についての具体的描写はないが、「その」のリフレインには、かつて作者の身近にいた故人に対する追慕の思いが滲み出る。敢えて表現しないことにより、却って句に真情がこもることがあることを証する作品といえる。『俳句』2023年11月号。

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