春の山は明るい光と温かな空気に包まれて、ものの命に溢れている。冬の間、眠っていたものたちが一斉に目覚めて活動を始める。
掲句は、「春山」を眼前にして、深々と胸に空気を吸い込んだときの感触を句にしたもの。命あるものたちが活動する「春山」が丸ごと肺腑の中に収まったとの表現からは、春を迎えた喜びが実感として伝わってくる。「虚に居て実を行う」という芭蕉の言葉も思い起こされる。『俳壇』2024年2月号。
春の山は明るい光と温かな空気に包まれて、ものの命に溢れている。冬の間、眠っていたものたちが一斉に目覚めて活動を始める。
掲句は、「春山」を眼前にして、深々と胸に空気を吸い込んだときの感触を句にしたもの。命あるものたちが活動する「春山」が丸ごと肺腑の中に収まったとの表現からは、春を迎えた喜びが実感として伝わってくる。「虚に居て実を行う」という芭蕉の言葉も思い起こされる。『俳壇』2024年2月号。
万年青(おもと)は日本原産のユリ科の多年草で、宮城県を北限に本州以西に自生するほか、観葉植物として庭などに植えられる。夏に葉の間から花茎を伸ばし穂状に淡緑色の花を咲かせた後、球形の実を結ぶ。実ははじめは青いが、秋の深まりとともに深紅に熟する。

鵙(もず)は繁殖期を過ぎて秋になると、縄張りを主張して高い梢などで鋭い声を放つ。鵙の声が澄んだ大気にひびく、その頃の晴れわたった日のことを「鵙日和」という。
掲句は、鵙日和の青々とした空を、「青空の裏も青空」と表現したところがポイントだ。実際、その頃の空は、空の向こう側にも青々とした空が広がっているのでは、と思わせるようなからりと澄み切った青さだ。感じ取ったことを的確に見える形で表現した一句といえる。『俳壇』2024年2月号。
山などに積もった雪が春の暖気で解けて、川や野原にあふれること。土を巻き込んで川や海が濁るので「雪濁り」ともいう。
