鼠黐(ねずみもち)はモクセイ科イボタノキ属の常緑低木。実がネズミの糞に似ており、姿や葉がモチノキに似ることからこの名がある。関東以西の山地に自生するほか、公園や庭に植えられる。6月頃、枝先に円錐花序をつくり、四弁白色の小花を泡立つように咲かせる。

春の月は大きく重たげで、橙色を帯び、輪郭も滲んで、他の季節にはない柔らかさがある。
掲句は春月を見上げていて、「通ひ婚」が普通の婚姻形態だった平安の世の男女に思いを馳せての作品だろう。「通ひ婚」は男女が同居せず、夫または妻が時々相手の住まいを訪ねて何日か暮らすことで、現代でも週末ごとに会う週末婚など、「通ひ婚」の関係にある男女も存在する。だがこの句から思い浮かぶのは古来からの「通ひ婚」である。春月の潤いのある光が、通っていく男や女を柔らかく照らし出す。『俳句』2024年6月号。
藤原為家の〈河越しのみちの長路の夕闇に何ぞときけば亀ぞ鳴くなる〉の和歌もあって、俳諧では昔から亀は鳴くものとされ、「亀鳴く」は春の季語とされている。しかし、実際には亀には声帯などの器官がなく、鳴くことはない。遊び心と空想から生まれた春の季語。

初夏の頃、蓮の根茎から柄を伸ばして出た若葉のこと。しばらくは水面に張り付いたように浮かんでいるが、やがて水を抜き出て葉を広げる。
