カヤツリグサ科カヤツリグサ属の一年草。道端や田畑などどこにでも生える。茎を裂いて広げた様が蚊帳を吊った形に似ていることからこの名がある。晩夏の頃、茎の先の包葉から数本の花茎を伸ばし、線香花火のような黄褐色の小穂を密につける。厄介な雑草の一つ。

「颱風」「台風」は熱帯性低気圧のうち、最大風速が毎秒17メートルを超えるもの。もともとは英語のtyphoonの音に漢字を当てたものという。二百十日(9月1日前後)の頃に日本列島に襲来し、各地に水害など甚大な被害をもたらす。
掲句は颱風の夜、雨戸を締め切って、暗くなった室内を早々と灯したときの自らの心の動きを句にしたもの。大型の颱風が刻々と近づいてくるときの緊張感と、今回も大丈夫だろうとの変に高を括った落ち着きが心の中で同居していた。読むことも書くことも止めて、卓上の灯をしばらく眺めた。平成26年作。
秋になって露が一面に降りて、草むらや木立があたかも時雨の降った後のように濡れている状態をいう。草木に置いた露が、時雨の降りかかるように音を立ててこぼれることをもいう。なお、時雨は晩秋から初冬に降る雨のこと。

立秋と相前後して8月6日及び9日の「原爆忌」が巡ってくる。まだ暑い最中であり、広島や長崎の追悼式では、周辺に盛んに鳴く蝉の声が、テレビの音声に交じって聞こえてくる。現在でも、原子爆弾に限らず、人類が作り出した非人間的なものは、この世に満ちている。
掲句は自転車の前照灯に照らし出された白蛾を目にしたことが契機になっている作品。明かりと見れば飛び込んでくる蛾が、灯に照らされて燃えんばかりの光を放った。その火の色の蛾のイメージは、多くの人たちの命を一瞬にして奪った原爆投下の閃光を連想させた。平成26年作。