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俳句の庭

  • 青林檎濡らして上がる山の雨

    10月 13th, 2025

    「青林檎(あおりんご)」は7月頃から出荷される早生種の林檎。果皮が青く果肉は酸味が強い。丸ごと齧 ったときの口中に広がる清涼感は夏のもの。熟す前のまだ青い状態の林檎を指すこともあるようだ。単に「林檎」といえば秋の季語。

    掲句も南仏旅中の作品。シャモニー近郊のセルボ村の村内には、至る所で林檎やプラムが青い実をつけていた。無花果(いちじく)や榛(はしばみ)の実も見かけた。モンブラン山系の山々が雲間から顔を出す雨上がりには、それらの青い実が初々しく、色鮮やかに目に沁みた。令和7年作。

  • 浦菊(うらぎく)

    10月 13th, 2025

    キク科の一年草又は二年草。別名「浜紫苑(はましおん)」。太平洋沿岸の海岸や河口の湿地に自生する。葉は細長くきょ歯がないので他のキク科の植物と区別できる。開花期は8~11月で、花色は淡い紫、紫、ピンク、白など。なお、歳時記には掲載されていないが、山野に咲くキク科の仲間であることから、「野菊」(秋季)として詠むことはできるだろう。

  • 常磐露草(ときわつゆくさ)

    10月 13th, 2025

    南アメリカ原産のツユクサ科の一年草。昭和初期に観賞用として日本に渡来し、その後野生化している。やや湿っている日陰や水辺に群がり生える。初夏から夏にかけて白い花弁の三角形の花を咲かせる。なお、歳時記には掲載されていない。

  • 群羊の背の焼印に緑さす

    10月 12th, 2025

    「緑さす」は初夏の新樹や若葉に日が差し込み、その緑色が周囲に照り映える様子を表す。「新緑」と同義で使われることが多く、「新緑」の傍題としている歳時記もある。

    掲句は南仏旅行中の作品。シャモニー近郊のセルボ村を散策しているとき見かけた光景が契機になっている。大きなトレーラーから、数千頭の羊が野に放たれた。それらの群羊(ぐんよう)を追う牧羊犬が数匹、その羊の群れの周りを行きつ戻りつして、賢そうに走り回っていた。羊らは草を踏み灌木を潜りながら、野を移動して行った。羊の背中にSやTの焼印(やきいん)を押してあるのが印象的だった。焼印は、所有者を識別するためのものだろう。令和7年作。

  • 朝霧

    10月 12th, 2025

    朝方に発生する霧のこと。日中に温められた地面から発生した水蒸気を含んだ空気が、放射冷却などで夜間に冷やされることで霧になる。霧は、細かな水の粒子が白い煙のように立ち込める現象。気象学上は、見通せる距離が1km未満の状態を指す。同じ現象は秋ばかりではなく春にも見られるが、これは霞(かすみ、春の季語)と称する。遠くのどかににたなびく霞に対して、霧は冷やかに立ちこめる印象がある。

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