朝のうちや午後、傾いた太陽が町中の通りや家の周囲に片蔭を作る。片蔭は、直射日光が届かないので、暑さの最中でもほっとできる場所だ。俳句では夏の季語。
掲句は、町中で見掛けた光景を句にしたもの。道を歩いていた女性が、それまで大事そうに提げていた荷物を町中の片蔭に置いて小休止していた。その荷物は布で覆ってあったが、どうやら猫を入れた籠らしかった。その籠を、日向を避けて片蔭に置いたところに、猫に対する優しい心遣いが表れているように思った。平成16年作。『河岸段丘』所収。
朝のうちや午後、傾いた太陽が町中の通りや家の周囲に片蔭を作る。片蔭は、直射日光が届かないので、暑さの最中でもほっとできる場所だ。俳句では夏の季語。
掲句は、町中で見掛けた光景を句にしたもの。道を歩いていた女性が、それまで大事そうに提げていた荷物を町中の片蔭に置いて小休止していた。その荷物は布で覆ってあったが、どうやら猫を入れた籠らしかった。その籠を、日向を避けて片蔭に置いたところに、猫に対する優しい心遣いが表れているように思った。平成16年作。『河岸段丘』所収。
鮎はアユ科の淡水魚。例えば多摩川上流であれば、鮎釣り解禁は6月中旬だ。その頃になると、川は多くの釣り師で早朝から賑わう。
掲句は、多摩川上流で見掛けた鮎釣りの情景を句にしたもの。その日は夜降った雨の名残で、朝から靄が立ち込め、やや濁って水量を増した川が音を立てて流れていた。釣り師たちがお互いに距離を取りながら釣糸を垂れていた。誰もが無言で釣りに没入しているので、声をかけるのも憚られた。流れが少し緩やかになる瀬尻の辺りに魚籠が浸してあったので、釣り果を覗いてみたい誘惑に駆られた。平成25年作。
「新樹」はみずみずしい若葉をつけた初夏の木々をいう。新緑よりも、木の姿に焦点を当てた言葉だ。
掲句は、川の真中の水量が多く勢いの激しい流れに目を注いでいてできた作品。その奔流が、両岸の木々の緑を映して大きくうねるのが遠くから見渡せた。奔流は眼前まで流れ来ると、とどまることなく、音を立てて川下へ流れ去っていった。川が、山間から平地へ流れ下っていく辺りの情景だ。平成25年作。
断捨離は、モノへの執着を捨て不要なモノを減らすことにより、生活の質の向上・心の平穏・運気向上などを得ようとする考え方のこと。やましたひでこ氏が自著の中で提案した言葉だが、今ではすっかり一般用語として定着した。
掲句は、夏を迎えるに当たって、今年こそ身辺のモノを整理して身軽になりたいと、内心ひそかに決心したことを句にしたもの。過去から積もりに積もった、家の収納スペースを上回るモノを何とかしたいと常々思っていた。令和5年作。
鱧は関西方面で主に賞味されていて、産卵前の6月下旬から1か月ほどが旬。丁度祇園祭や天神祭の頃であることから祭鱧とよばれる。夏の京都・大阪の味覚を代表するものである。
掲句は、湯引きした鱧の、微かに紅を含んだ白身の美しさを表現しようとして作った作品。祭の頃の京都・大阪の活気を想像してもらえれば食味も増すだろう。平成28年作。