「鍬形虫(くわがたむし)」は甲虫類クワガタムシ科の昆虫。幼虫は朽ち木を食べて成長し、成虫は夜間ナラ、クヌギなどの樹液に集まる。子供に人気のある甲虫の一つ。
掲句は、かつてクワガタムシの採集に熱中した長男のことを回想しての作。夜間行動性のクワガタムシを捕まえるには、夜樹液に集まってきたムシたちが朝散り散りになる前に捕える必要があった。夏休み期間中だったと思うが、息子は、夜が明けるのを待ちかねたように毎朝根気よく樹液の出る樹を見に行っていた。令和5年作。
「鍬形虫(くわがたむし)」は甲虫類クワガタムシ科の昆虫。幼虫は朽ち木を食べて成長し、成虫は夜間ナラ、クヌギなどの樹液に集まる。子供に人気のある甲虫の一つ。
掲句は、かつてクワガタムシの採集に熱中した長男のことを回想しての作。夜間行動性のクワガタムシを捕まえるには、夜樹液に集まってきたムシたちが朝散り散りになる前に捕える必要があった。夏休み期間中だったと思うが、息子は、夜が明けるのを待ちかねたように毎朝根気よく樹液の出る樹を見に行っていた。令和5年作。
「入梅」「梅雨の入り」は、暦の上では陽暦の立春から127日目の6月11日頃にあたる。生活実感としては、雨がち曇りがちの日が続き、気象庁の判定が出て梅雨に入ったことを知ることになる。
掲句は梅雨に入る頃のモノや心に纏わりつく微かな「翳り」を表現しようとした作品。「影」は光によってできた物の形、「陰」「蔭」「翳」は、物に遮られて、日光や風雨の当たらない所と辞書に解説があるが、梅雨という季節のもつどんよりとした隠微な印象を「翳」で表せるのではと考えた。写生によらない作として、多少は冒険したつもりである。令和5年作。
「花菖蒲」はアヤメ科の多年草。観賞用に水辺や田圃などに栽培され、多くの品種がある。大振りの艶麗な花から楚々とした小振りの花まで、趣もさまざまだ。
掲句は東村山の北山公園内にある菖蒲苑での一句。木道を歩きながら、紺や紫紺、白、茶色、斑入りなど目移りしそうなほど数多くの花菖蒲を見て回った。咲くまでにまだ数日かかりそうな固く尖った蕾、花弁がほぐれて咲きかかっている蕾、盛りを過ぎて傷んでいる花などを見ているうちに、咲くというのは、花にとって、身の力を抜くことではないかとふと思った。令和5年作。
「六月」はわが国が湿潤な温帯モンスーン気候にあることを最も実感させる月。降り続く雨の中で、草木の緑はしっとりと四囲に溶け込む。整然と植えられた田は、日に日に緑が濃くなって青田へと変貌していく。
掲句は北海道旅中の作品。実際の稲作の北限は北海道遠別町だというが、私が目にしたのは道央の植田だった。田植えが済んで半月ほど経った頃だろうか。淡い緑色の早苗が整然と風に靡くさまをバスの窓から目にしながら、「北限の田」という言葉が脳裡に浮かんできた。6月の北海道は、どこも初々しい初夏の緑に包まれていた。令和5年作。
「緑さす」は「新緑」の傍題。夏の到来を告げる清新さを感じさせる言葉だ。初夏は若葉の溌溂とした緑が四辺に満ちる季節。
掲句は、北海道富良野の後藤純男美術館を訪れたときの一句。6月の北海道は新緑の季節で、美術館の窓から、青々とした大地の起伏が眺められた。生前、北海道の自然に惹かれて富良野にアトリエを構えた後藤画伯だが、最後に選んだ画題が富士だったというところが興味深い。「上手く描いただけでは意味がない。そこに祈りの心がなければ・・・」との画伯の言葉を思い起こしながら、暫く絵の前に佇んだ。令和5年作。