「明易し」は夏の夜の明けが早いこと。「短夜」と同じ意味合いの言葉だが、「短夜」は夜が短いことをいうのに対して、「明易し」には明け急ぐ夜を嘆く思いがある。
掲句はニュージーランド旅吟の中の一句。北島のオークランド郊外の海辺のコテージに泊まった。潮の干満が激しく、朝、目が覚めるとコテージの前方に大きな干潟が現れた。貝を掘りに出ている人影も二三見えた。干潟に潮が満ちるのは夜半で、その時間帯、我々は深い眠りの底にいるので、いつも目が覚めると海岸が干上がっていたのだ。長い旅程もようやく終わりが見えてきた頃で、安堵の気持ちとともに旅を惜しむ思いもあったのかも知れない。