行く年は、年の暮れに当たり、一年間の出来事を振り返り、来し方に思いを巡らせる気持ちがこめられている季語。
掲句は、過ぎ去ろうとしている一年を惜しみつつ空を仰いでの作品。宵の空には早くも月が高々と上がり、それに続いて大粒の星が上ってきていた。それらを目で辿りながら、一年の間の出来事を思い浮かべた。平成27年作。
行く年は、年の暮れに当たり、一年間の出来事を振り返り、来し方に思いを巡らせる気持ちがこめられている季語。
掲句は、過ぎ去ろうとしている一年を惜しみつつ空を仰いでの作品。宵の空には早くも月が高々と上がり、それに続いて大粒の星が上ってきていた。それらを目で辿りながら、一年の間の出来事を思い浮かべた。平成27年作。
「息白し」は冬、気温が低くなって、人や動物の吐く息が白く見えること。息を白く吐きながら駅へ急ぐ人々の姿に、冬になったことを実感する。寒気の中で白々と吐く息は、生きている証でもある。
掲句はとある美術館で、壁に掛けてある能面を前にしての作品。木彫の能面が実際に息を吐くことはないが、動と静の境にいるような能面の表情、ことにその半開きの口を見ていて、話し出すところをありありと思い描いた。笑みとも愁いともつかぬ女面のもつ中間表情がそのような想念を誘い出したのかも知れない。平成27年作。
「暖房」は室内を温める装置や器具の総称。電車などは、冬になると空調装置を稼働させて車内を暖める。
掲句は、秩父まで電車で行ったときの作品。まだ夜が明けない山裾を縫い、時にはトンネルを潜りながら電車は進んでいく。暖房の心地よさに微睡みながら、真っ暗な車窓を時折眺めた。闇に遮られて見えないながら、数えきれないほどの山々を通り過ぎて電車は進んで行った。平成23年作。
雪に対する受け止め方は、日本海側の豪雪地帯と、めったに雪が降らない太平洋側とで異なる。稀に降る雪を珍しいものとして愛でるのは、太平洋側に住む人の心情だが、毎日遠距離を通勤する人間としては、電車を遅延させ、道を歩きにくくする雪を愛でてばかりもいられない。
掲句はコロナ禍のテレワークで一日家にいた頃の作品。家にいながらも、時折雪の降り続く空を見上げていたのは、勤め人として雪の中を移動する苦労が記憶に刻み込まれていたからだろう。郵便受けに入っていた封書が折からの雪で濡れていた。令和4年作。