「暖房」は室内を温める装置や器具の総称。電車などは、冬になると空調装置を稼働させて車内を暖める。
掲句は、秩父まで電車で行ったときの作品。まだ夜が明けない山裾を縫い、時にはトンネルを潜りながら電車は進んでいく。暖房の心地よさに微睡みながら、真っ暗な車窓を時折眺めた。闇に遮られて見えないながら、数えきれないほどの山々を通り過ぎて電車は進んで行った。平成23年作。
「暖房」は室内を温める装置や器具の総称。電車などは、冬になると空調装置を稼働させて車内を暖める。
掲句は、秩父まで電車で行ったときの作品。まだ夜が明けない山裾を縫い、時にはトンネルを潜りながら電車は進んでいく。暖房の心地よさに微睡みながら、真っ暗な車窓を時折眺めた。闇に遮られて見えないながら、数えきれないほどの山々を通り過ぎて電車は進んで行った。平成23年作。
雪に対する受け止め方は、日本海側の豪雪地帯と、めったに雪が降らない太平洋側とで異なる。稀に降る雪を珍しいものとして愛でるのは、太平洋側に住む人の心情だが、毎日遠距離を通勤する人間としては、電車を遅延させ、道を歩きにくくする雪を愛でてばかりもいられない。
掲句はコロナ禍のテレワークで一日家にいた頃の作品。家にいながらも、時折雪の降り続く空を見上げていたのは、勤め人として雪の中を移動する苦労が記憶に刻み込まれていたからだろう。郵便受けに入っていた封書が折からの雪で濡れていた。令和4年作。
冬木は、落葉樹、常緑樹のいずれにもいうが、特に葉を落とし切った落葉樹には冬木らしい趣がある。
掲句は近くの疎水べりの枯桜の趣に晩年の父の面影を重ねてできた一句。「父情」は一般的な用語ではないが、〈冬ふかむ父情の深みゆくごとく 龍太〉が念頭にあって思い浮かんだ言葉。生前の父の心を十分汲み取れなかった自分自身を、反省を込めて振り返る思いもあった。平成29年作。
「臘月(ろうげつ)」は師走、極月などとともに旧暦12月の異称。「臘」は、冬至後の第三の戌の日に行われる中国の祭のことで、猟の獲物が神や祖先に祀られるという。この「臘」が転じて、年の暮や旧暦12月を「臘月」とも呼ぶようになった。
掲句は長野の野辺山高原から東に連なる秩父山系の山々を眺めていてできた一句。山々は夕映えながら、山襞は濃い翳となっていた。それぞれの山襞には集落があり、古くから人々が定住して生活を営んでいることを思った。上五は「十二月」「極月や」でもよかったが、「臘月」という古い言葉の味わいを活かしたかった。平成16年作。『河岸段丘』所収。
秩父夜祭は12月2日、3日に行われる秩父神社の例大祭。各町内から笠鉾などの山車が出るほか、夜は神輿の神幸も行われる。
掲句は秩父夜祭を見物したときの作品。神社境内や道沿いにたこ焼き、焼きそばなどの屋台が並んだが、その中の一軒で熱々の猪汁を啜った。南には武甲山が真っ黒に聳ち、冴え冴えとした宵の空に星が光を放った。平成29年作。