ケシ科の一年草。観賞用に栽培されるが、近ごろは野生化し、路傍や中央分離帯など、どこにでも見られる。ヨーロッパ原産だが、江戸時代に渡来した。蕾は最初は下向きで、咲くときに顔を上げ、5月頃、紅、桃色、白色などの四弁花を咲かせる。園芸種には八重咲もある。「虞美人草」とも呼ばれる。
下の写真は、雛罌粟と罌粟坊主が入り交じって風に揺れているところ。

ケシ科の一年草。観賞用に栽培されるが、近ごろは野生化し、路傍や中央分離帯など、どこにでも見られる。ヨーロッパ原産だが、江戸時代に渡来した。蕾は最初は下向きで、咲くときに顔を上げ、5月頃、紅、桃色、白色などの四弁花を咲かせる。園芸種には八重咲もある。「虞美人草」とも呼ばれる。
下の写真は、雛罌粟と罌粟坊主が入り交じって風に揺れているところ。

歳時記に晩夏の季語として掲載されている「独活の花」はウコギ科の多年草であるのに対し、「花独活」は、セリ科の多年草で、初夏に白い小さな花を笠のような形に密集して咲かせる。葉や茎がウコギ科の独活に似ていて、独活よりも美しい花をつけることからこの名がついたという。「花独活」は一般の歳時記には掲載されていないが、初夏の山野を歩いていると、否でも目を引く花の一つだ。

「風車の花」は、キンポウゲ科の蔓性植物。子供の玩具の風車に見立ててこの名がある。近縁の鉄線花は中国原産で、普通花びらは6枚だが、「風車の花」は、花びらのように見える萼が通常8枚。本州などの山地に自生しているが、近年野生種を見掛けることは稀だという。

ミズキ科の落葉高木で、山野に自生するが、庭園や街路に植えられることも多い。晩春から初夏にかけて、枝先に白い四弁の小花が密集して泡立つように咲く。この時季の山野や公園で目につく花の一つだ。樹液を吸い上げる力が強く、春先に幹や枝を切ると水がしたたるところから、この名がある。花木として知られるアメリカ産ハナミズキは別種。

「春雨」と「春の雨」は、歳時記に別の季題としてたてられており、「春の雨」が、春に降る雨の総称であり、初春から晩春にかけての色々な降り方の雨を含むのに対し、「春雨」は、晩春の、小止みなく静かに降り続ける雨のことをいう。「春雨」に濡れながら、木々は葉を広げ、蕾は生き生きと雨を弾く。からからに乾いていた田圃も濡れて、蛙の声が遠近から聞こえてくる。ただ現代では、実作者としても、読み手としても、両者をそう峻別する必要はないだろう。

