「熱帯夜」は最低気温が25度を越える夜をいう。気象庁の定義では「夕方から翌朝までの最低気温が25度を超える日」。近年の真夏は熱帯夜が常態化して寝苦しい。
もともとは気象学者の造語だった「熱帯夜」が初めて歳時記に掲載されたのは、平成8年角川書店刊行の『俳句歳時記(第三版)』。この頃季語として事実上定着したとされる。
暑さを表現する従来の季語には「極暑」「溽暑」「炎暑」などがあるが、温暖化が進行し、ヒートアイランド化する日本の夏の夜を実感させる言葉として、この言葉が定着してきたのだろう。手元の歳時記にも、
まつくらな中に階段熱帯夜 吉田汀史
など生活実感に根差した例句が掲載されている。現在人の感覚にマッチした季語として、今後も詠まれていくと思われる。