「秋めく」は周辺の景色、光、風、空気などが、なんとなく秋らしくなってくること。本格的な秋が到来する前の、季節の推移にともなうかすかな変化を捉えた言葉。
掲句は、樹の天辺で「雀鷹(つみ)」が声を放ったとき、秋らしくなってきたことをふと感じての作品。「雀鷹」はタカ科ハイタカ属に属する日本最小の猛禽類で、大きさはヒヨドリかハトほど。春先に日本に渡来する夏鳥だが、本州以南では一部が留鳥として年間を通して見られる。近年は都市部の公園や街路樹、寺社などにも生息している。私が住む住宅地の公園でもその独特な声を聞くことがある。朝、公園のベンチに憩っているとき、樹頭の雀鷹の鋭い声に、四辺の大気の澄みを覚えた。朝晩ようやく秋らしくなってきた。令和8年作。