「夏の蝶」は夏に見かける蝶のこと。春に現れる蝶が可憐で軽やかなのに対し、夏に見かける蝶はアゲハチョウなどに代表される大型で色彩が鮮やかなもの、或いは力強く羽ばたくものが多い。単に「蝶」といえば春の季語。
掲句は、令和7年夏、シャモニー近郊のセルボ村に何泊か滞在したときの作品。セルボ村は、ヨーロッパアルプスの主峰モンブランの麓、シャモニー渓谷の入り口に位置する落ち着いたのどかな村である。渓谷に入ると、アルプスの山塊が間近に迫り、雪や氷河を頂く山々が、「高嶺(たかね)」と称するに相応しい角度で仰がれた。傍らの草叢や木叢を大型の蝶が飛び巡っていた。令和7年作。