「ゴッホ忌」は近代の画家フィンセント・ファン・ゴッホの命日で、7月29日。1890年のこの日、パリ近郊のオーヴェール・シュル・オワーズの下宿先で死去した。享年37歳。なお、歳時記には掲載されていない。
掲句は、令和7年の南仏旅行中、ゴッホゆかりのアルルやサンポール・ド・モーゾ-ル修道院を訪れたときの作品。6月下旬から7月初旬にかけての暑い最中、頭上では絶えずジジジジ、シューシューなどと蝉が鳴き続けていた。南仏の明るい陽光のもとで、独自の色彩表現に目覚めていったゴッホを偲びながら、アルルの町中にある『夜のカフェテラス』のモデルとなったカフェや、ゴッホが耳切り事件の後に入院した旧アルル市立病院跡を訪ねた。ゴッホ忌の7月29日には少し間があったが、この地で画業に勤しんだゴッホを追慕する思いが、「顱頂に沁みる」に表現できていれば幸いだ。なお、「顱頂(ろちょう)」は頭のてっぺん、又は頭頂部のこと。令和7年作。